ヨーロッパ圏内の移動とはいえ、油断はできない。
空港では厳戒な体制が敷かれていて、どんなにピリピリと緊張感に溢れているだろうかと身構えていたところ、
荷物検査を過ぎた辺りで、アイルランド人スタッフさん方が楽しそうにお喋りに興じていた。
そのあまりのリラックスぶりを目にして、私は拍子抜けしたのであった。
「コロナ禍の移住とはなんと由々しきことか、静かに厳かに行うべし」
と主張する、私の意識の深層に練りこまれた「日本人的な思考」と、
4年も暮らすなかで、もはや自分の一部と化した「ケルト魂」が
それぞれの意見を頭の中でぶつけ合っている。
どこか釈然としない感じを抱えたまま、お食事処へと向かった。
心とお腹を満たせば
お土産屋さんにふらっと寄り…
フードコート到着!
12時を少し回ったところで、飛行機が出発するまではまだ2時間もある。
余裕、余裕~♪
こちらはセルフサービス式。
お料理はメニューの中から店員さんが盛り付けてくれます。
コーヒーなどは基本自分で用意する形式となっている。
出発までに栄養補給すべく、私は野菜のスープを注文。
ソーダブレッドも付けてくれた☆
ブロッコリーもあわせて、ありったけの英気を養う。
見た目は質素だけど、めちゃ美味しい!
ロンドンのヒー〇ロー空港で食べた塩気も味もない、バジルパスタとは全然違うレベル感…笑
(食べ物をいただけることには感謝して、泣く泣く完食した記憶があります)
(ロンドンには美味しいものもたくさんありますよ!ともお伝えしておきます)
「ああ、本場のソーダブレッドを食べるのは次いつになるだろう。アイリッシュバターも恋しくなるなぁ」
人はいざ引っ越すとなって、住み慣れた土地を去るときにはどこか、後ろ髪を引かれる思いをするものなのだろう。
それがたとえ、外国であったとしても。
そんなことを考えながら、胡椒とレモンの効いたターメリックジュースをぐいっと飲み干し、
食後には、コロナビールまで頼んで二人で乾杯した。
「昼間から女性がビールだなんて」
と、数年前ならブチブチ呟いていたはずの脳内のジャパニーズ美和子は、
ダブリンですくすくと育ったアイリッシュ美和子といつの間にか肩を組んで、楽しそうに歌っている。
美味しい料理に、真っ昼間からのビール。
アイルランド生活最後の日の締めくくりとして、最高すぎる!
窓辺で寛ぎながら、しばし感慨に耽った。
続く。
シリーズ「オランダ移住劇 2020」初回と前回の第8話は、こちら:
Ep. 1 オランダ移住当日。アイルランド生活最後の日 その1
Ep. 8 オランダ移住当日。アイルランド生活最後の日 その8
私がアイルランドに渡航した経緯についてはこちらをご覧ください:
About – MiwaKosmic | 異文化は癒しだ
プロローグ – MiwaKosmic | 異文化は癒しだ
Pinはご自由にどうぞ!
Pinterest用↓