オランダ移住をした美和子です。
2020年の夏にアイルランドからオランダに渡航してから、
ホームシックに相当参っていた私。
「郷愁の念」の記事ではお騒がせしました。
【注目記事】『海外在住者の哀しみ。郷愁の念とコロナ時代』
実はですね、昨年の10月に一時帰国していました。
異次元を彷徨っているような、不思議な4週間でした。
エッセイ形式で、話題があっち行ったりこっち行ったりしますが、
しばしお付き合いいただければ幸いです。
呼吸を整えて挑む
なぜ一時帰国から3、4ヶ月後の今投稿しているかと言えば、しばらくまた
頭の中がスパゲッティみたいに混乱した状態が復活していたのです。
色んなことが同時進行で起こっていて、今も薄っすらと、時々頭に濃ゆく靄がかかったみたいになります。
この半年、色んなことがありました。
オランダに戻った後は、フリーランス活動と並行してオランダで就職活動をし、復職しました。
前職で辛い思いをした記憶が何度も蘇り、会社に戻るというのが本当に怖かった。
でも、フリーランスもそろそろやめたかったのが正直なところでした。
第二の故郷みたくなりかけていたアイルランドを出てからは、浮き沈みを繰り返していた私。
深い闇の淵から這い上がるようにして、一歩一歩、亀のような歩みで自分自身を癒しながら、彼の助けも借りながら、光の方向へと浮上しようと一生懸命もがいていたと思います。
少しずつ自分を取り戻していき、最終的に怖さとか、もろさはまだ抱えたままの状態で
私は大ジャンプして、何度目かの新生活を始めることとなりました。
とは言え、この「大ジャンプ」のときはテーマパークに行ったときみたいな胸の高鳴りで幸せな気持ちにも同時に包まれていて、ワクワクする気持ちも確かに混じっていたと思います。
絶対に目の前で止まってはくれないアトラクション、たまにありませんか?
プラットフォームにいて、流れてくる乗り物に「えいっ」と勢いをつけて乗る、みたいなアレです。
諸々の状況が私には、アレが高速で流れてくる、みたいに見えていました。
あの乗り物に、タイミングを合わせて飛び乗るときみたいな、危うさ、冒険心、そして高揚感。
怖くて逃げたくて、なのに面白そうで、最終的には「えいやっ」てやりました笑
次のビザなんて待っていられない
さて、前置きはこれくらいにして…
私、2021年10月に日本へ一時帰国するにあたり、申請中のビザが100%出るという確約はないまま出発しました。
元々のビザは10月初旬までに切れる予定でしたが、
8月中旬にパートナービザの申請を出した関係で、90日間のlegal decision period(法的に定められた審査期間)が与えられたことで、居住許可証の有効期限が11月中旬まで延長。
オランダresident(住民)の資格を保ったまま、長期のパートナービザの結果待ちの状態で日本へ渡航する道筋が見えたのです。
詳しいことはおいおい記事にできたらと思いますが、オランダを出国する1ヶ月前くらいに念のため移民局に問い合わせたところ
「なるべく審査期間の期限前には戻るように」とは言われたものの
「日本のパスポートを持っていれば結果待ちの状態でも、オランダに再入国するのは問題ない」とのことでした。
※パスポートに審査期間中であることの証明は必要です。今後ポリシーが変更されても責任は負えませんのでご了承ください。
日本にいる間にビザの申請に失敗した、なんてことになったら困りますし、不安を完全に拭い去ることは不可能でした。でも、
「ま、日本人なら入国ビザなしでも3ヵ月間位は『ツーリスト』として滞在できることだし、
仮にそんなことになったとしても、またオランダに乗り込んでいって猛抗議してやるわ」
というそんな覚悟を持って、一時帰国を決めたのでした。
実際問題、次のビザが降りるまでは、おとなしくオランダで待っていようなんて、そんな悠長なことは言ってられないくらいに追い詰められていたのが正直なところです。
日本の家族のことはもちろん、
慣れない異国での暮らしで募るホームシック。
気を遣わずにはいられない彼の実家での日々。
またいつ状況が変わるか、誰にも読めない心許なさに、
コロナによる緊迫感。
これまでにタイ、フィリピン、アイルランドと住み慣れた土地を離れて様々な挑戦を続けてきた私は、
異文化適応力には自信のある方だったのですが
ここに来て、度重なる緊張とストレスに張りつめた糸が「プツン」と切れました。
切れたままで、紡ぎ直されずに放置されていました。
2年間、自分の家族と会えない状態が続いていたのです。
もう限界でした。
私だけで1ヶ月間ほど母国に滞在することに対して
渋る彼を説得(強行突破か?)し、
義父母にはA4用紙で2、3ページ分に及ぶ演説を施したうえで私は計画を決行。
10月が明けてすぐ、ついに私は念願の一時帰国を果たしました。
オランダを2021年10月1日に出て、日本に入国したのが10月2日。
10月30日にオランダに戻りましたが、結果的には、待たなくて本当に良かったです。
案の定、旅の終わりから間もなく日本の水際対策が厳しくなりました。
11月の下旬頃からオランダでもオミクロンが見られるようになり、正式にビザが出るまで待っていたりなんかしたら、日本への渡航が非常に難しくなっていたことと思います。
考えただけでも辛すぎる。
それに、辛いのは自分だけではなく、日本の家族だって同じです。
我ながら諸々の困難を突破して、家族に顔を見せられたと褒めてあげたいくらいです笑
さらに、日本に出発する直前の朗報は、まるで「天からの後押し」のように感じられました。
政府が10月1日から帰国者の自宅待機を、これまでの14日から最短10日間に短縮(10日目以降の陰性証明など制限付き)すると発表したのです。政府の決定は9月27日、オランダ出発から4日前のことでした。
本記事はここまで。
今回は切羽詰まっていたときのことを書いたので、
次の記事はちょっぴりゆるい感じでいきたいと思います。
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私がアイルランドに渡航した経緯についてはこちらをご覧ください:
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2020年夏、私とパートナーはアイルランドから彼の故郷オランダへと、数々の困難を乗り越えて移住を果たしました。
シリーズ「オランダ移住劇2020」では、その一部始終をえがいています:
Ep. 1 オランダ移住当日。アイルランド生活最後の日 その1
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